俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~
そんな兄が、たった今、父が紹介した長沢さんに向かって、なんとも失礼な態度をとる。
「ちょっ、副社長!
も、申し訳ございません。長沢さん。
副社長の藤崎塁と
副社長の妹で秘書の、麗と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。」
すかさず、私は慌てて挨拶をし、頭を下げた。
すると、数秒後頭上から
「ブフッっクックックっ」
長沢さんと思われる方から笑い声が聞こえてきて思わずガバっと顔を振り上げた。
「こんにちは。麗ちゃん。そんなに慌てなくても大丈夫だよ。学生の頃は、塁の彼女代わりをしてご苦労様だったね。今もかな?」
「え?塁?」
「おい。慎一。その話は今関係ないだろ。」
「え?慎一?」