こんな雨の中で、立ち止まったまま君は
6章「触れた唇」
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太陽の下の君は
まるで少女のようで
雨の中にいる君よりも
ずっと
ずっと
近くに感じた
はじめて見た君の涙は
綺麗で
悲しくて
切なくて
この手に感じたぬくもりを
離したくないと願った僕の心は
どこへ向かえばよかったのか
何も知らない僕は
どうすればよかったのか―――
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