こんな雨の中で、立ち止まったまま君は
6章「触れた唇」




***


 太陽の下の君は

 まるで少女のようで



 雨の中にいる君よりも

 ずっと

 ずっと

 近くに感じた
 


 はじめて見た君の涙は

 綺麗で

 悲しくて

 切なくて



 この手に感じたぬくもりを

 離したくないと願った僕の心は



 どこへ向かえばよかったのか



 何も知らない僕は



 どうすればよかったのか―――


 



***









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