こんな雨の中で、立ち止まったまま君は
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小川さんと飯島さんを見たあの日から、もう二週間以上が経つ。
街全体を彩るクリスマスカラーはますます濃くなって、
コンビニにもクリスマス用のおもちゃやお菓子が多めに並ぶようになった。
雨は降らない。
もちろん、歩道橋に小川さんは現れない。
コンビニにも来ない。
俺は、図書館にも行かなくなっていた。
行って、小川さんに会うのが恐かった。
それよりも、奈巳と会っているほうが気が楽だった。
そんな日々が、だらだらと過ぎていった。
まるで、以前の俺の生活に戻ったような時間だった。
クリスマスを五日後に控えた日曜日の午後のシフトで、
外のゴミ箱を片付けていると、ぱらぱらと雨が落ちてきた。
考えないように……無理にでも頭の隅に追いやろうとしていた小川さんの顔が浮かんだ。
今日は……現れる。
何故だかそんな予感がした。