こんな雨の中で、立ち止まったまま君は
3章「蒼い雨粒」




***


 霧雨は

 静かに舞い降りる


 僕の上に

 目の前の道に


 ふわふわと はらはらと

 音もなく ただ静かに



 止めることもできなくて

 避けることもできなくて


 濡れていく感覚さえ

 なかったんだ


 

 冬の雨は突然に

 
 気づかないうちに




 僕の上に――――




***






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