姉の身代わりに
「ほらね、お父様。リーゼルもこう言っていることですし。何も問題はございませんね?」
「二人が納得しているのであれば、私が口を挟むものではない。そうと決まれば、エリンはこちらに、リーゼルはこちらにサインをしなさい」
それは、この婚約に対して異議を申し立てるという書類である。
本来ならば許されぬ行為だが、今回は婚約者を入れ替えるという代替の手段がある。だから咎められるようなことはないだろう。
むしろ「どちらもどちらでもいい、念のために確認を」というのが国王とキャスリック辺境伯の言葉だったのだ。
「二人が納得しているのであれば、私が口を挟むものではない。そうと決まれば、エリンはこちらに、リーゼルはこちらにサインをしなさい」
それは、この婚約に対して異議を申し立てるという書類である。
本来ならば許されぬ行為だが、今回は婚約者を入れ替えるという代替の手段がある。だから咎められるようなことはないだろう。
むしろ「どちらもどちらでもいい、念のために確認を」というのが国王とキャスリック辺境伯の言葉だったのだ。