母親代わりの不遇令嬢は、初恋の騎士団長から求婚される
◇◆◇◆
「おはよう」
目を開けたエリーサの視界に飛び込んできたのは、ブロルの困ったような顔だった。
「あ、おはよう……」
エリーサも、どうしたらいいかがわからなかった。
どうやら彼女は、がっちりとブロルに抱き締められるようにして眠っていたようだ。目が覚めた今も、身動きできない。
彼女が身じろぐと、ブロルの手が頬を優しく撫であげる。
「エリーサ。君は、昨日、俺が言ったことを覚えているのか?」
え、なんのことでしょう。とエリーサはとぼけてしまいたかった。だが、時はすでに遅し。みるみるうちに頬に熱が帯びていく。間違いなく顔は真っ赤に染まっていることだろう。
「はい……」
「そうか。君の事だから、とぼけてしまうのかと思っていた。そのときは、もう一度同じ言葉に口にしようと思っていた」
嬉しそうに笑うブロルを見たエリーサは、なぜか胸が鷲掴みされたような気分になった。
「えと、ブロルは本気でそう思っているの?」
「冗談でそのようなことは口にできないだろう」
エリーサは彼から視線を逸らした。
答えは一つ。
――結婚はできない。
ブロルの右手が顎に伸びてきて、無理矢理エリーサの視線を捉えた。彼の左手はエリーサの身体の下敷きになったまま、がっしりと背中にまで回っている。
「おはよう」
目を開けたエリーサの視界に飛び込んできたのは、ブロルの困ったような顔だった。
「あ、おはよう……」
エリーサも、どうしたらいいかがわからなかった。
どうやら彼女は、がっちりとブロルに抱き締められるようにして眠っていたようだ。目が覚めた今も、身動きできない。
彼女が身じろぐと、ブロルの手が頬を優しく撫であげる。
「エリーサ。君は、昨日、俺が言ったことを覚えているのか?」
え、なんのことでしょう。とエリーサはとぼけてしまいたかった。だが、時はすでに遅し。みるみるうちに頬に熱が帯びていく。間違いなく顔は真っ赤に染まっていることだろう。
「はい……」
「そうか。君の事だから、とぼけてしまうのかと思っていた。そのときは、もう一度同じ言葉に口にしようと思っていた」
嬉しそうに笑うブロルを見たエリーサは、なぜか胸が鷲掴みされたような気分になった。
「えと、ブロルは本気でそう思っているの?」
「冗談でそのようなことは口にできないだろう」
エリーサは彼から視線を逸らした。
答えは一つ。
――結婚はできない。
ブロルの右手が顎に伸びてきて、無理矢理エリーサの視線を捉えた。彼の左手はエリーサの身体の下敷きになったまま、がっしりと背中にまで回っている。