母親代わりの不遇令嬢は、初恋の騎士団長から求婚される
「今すぐ答えが欲しい、と言ったらどうする?」
ブロルが自嘲気味に笑っているのは、エリーサの答えがわかっているからなのか。
背中に回っている彼の手に力が込められたような感じがした。
「あの、ブロル。昨日の返事だけれど……。ごめんなさい。私、あなたとは結婚できません」
彼の手にぐっと力が込められる。
「他に、好きな男がいるのか?」
違う、とブロルの胸の中でエリーサは首を振る。
「正確には、誰とも結婚するつもりがありません」
ブロルは自由に動く右手を彼女の頬に添え、無理矢理こちらを見るようにとその顔をくいっとあげ、唇を奪う。
「んっ」
いきなり深い口づけをされたエリーサは、それから逃れるように顔を背けようとするが、ブロルの右手によってがっちりと押さえ込まれている。
唇を貪るかのような、熱い口づけ。さらにブロルは彼女の身体の下から左腕を引き抜き、両手で愛おしい女性の頬を包み込んだ。角度を変えて、何度も啄むように、彼は口づけてくる。
「んっ……、いぁっ……、ん、んぅ」
喉の奥から声をあげたエリーサは、いつの間にか覆いかぶさるようにして唇を合わせていたブロルの胸をバシバシと二つの拳で叩きつけた。それでやっと彼から解放される。
「何するのよ」
少し火照った頬で、エリーサは鋭く彼を睨みつけた。
「好きな男がいないなら、俺と結婚しろ。俺のことは嫌いか?」
エリーサに好きな男はいる。それは目の前の男。だから、ブロルのことは嫌いではない。嫌いだったら、エスコート役で現れた時に、とっくに逃げていた。
ブロルが自嘲気味に笑っているのは、エリーサの答えがわかっているからなのか。
背中に回っている彼の手に力が込められたような感じがした。
「あの、ブロル。昨日の返事だけれど……。ごめんなさい。私、あなたとは結婚できません」
彼の手にぐっと力が込められる。
「他に、好きな男がいるのか?」
違う、とブロルの胸の中でエリーサは首を振る。
「正確には、誰とも結婚するつもりがありません」
ブロルは自由に動く右手を彼女の頬に添え、無理矢理こちらを見るようにとその顔をくいっとあげ、唇を奪う。
「んっ」
いきなり深い口づけをされたエリーサは、それから逃れるように顔を背けようとするが、ブロルの右手によってがっちりと押さえ込まれている。
唇を貪るかのような、熱い口づけ。さらにブロルは彼女の身体の下から左腕を引き抜き、両手で愛おしい女性の頬を包み込んだ。角度を変えて、何度も啄むように、彼は口づけてくる。
「んっ……、いぁっ……、ん、んぅ」
喉の奥から声をあげたエリーサは、いつの間にか覆いかぶさるようにして唇を合わせていたブロルの胸をバシバシと二つの拳で叩きつけた。それでやっと彼から解放される。
「何するのよ」
少し火照った頬で、エリーサは鋭く彼を睨みつけた。
「好きな男がいないなら、俺と結婚しろ。俺のことは嫌いか?」
エリーサに好きな男はいる。それは目の前の男。だから、ブロルのことは嫌いではない。嫌いだったら、エスコート役で現れた時に、とっくに逃げていた。