母親代わりの不遇令嬢は、初恋の騎士団長から求婚される
◇◆◇◆
たくさんの人に祝福されるというのは、心が弾むものである。望まれぬ結婚よりも望まれた方がやはり嬉しい。その嬉しさに包まれながら、エリーサは祝福を浴びた。もちろん、隣にはブロルがいる。
誓いますか、と神官に問われた時に、迷いなく誓いますと答えることができた喜び。
フラワーシャワーを浴びながら、彼と腕を組んで歩くエリーサはたくさんの祝福の言葉に囲まれた。
オトマルに言わせれば「僕が一肌脱いだからね」らしい。仕組まれていた、と言っては言葉が悪い。だが、オトマルはオトマルなりに、いつまでも嫁にいかない姉を心配していたのだ。もちろん、双子たちも。
ブロルは仕事柄、領地に戻ってくることはなかなか難しい。となれば、エリーサを王都へ向かわせればよい、とオトマルは考えたようだ。どこからどう見ても両想いの男女なのに、何が二人の仲を邪魔しているのか、オトマルにはわからなかった。
オトマルはブロルに、姉のことが好きなのか、結婚する気はあるのかと、問い詰めた。息子と言っても通じるような程年の離れた少年に、まさか自分の恋愛話を相談するとは思ってもいなかったブロル。だが、彼女の弟という力強い味方を得たのであれば、行動に移さないわけにもいかないだろう。さらに、ブロルの両親もエリーサのことは気に入っている。真面目で、人に優しく、思いやりのある女性。
あとは、ブロルの気持ちと行動次第だった。
久しぶりに会ったエリーサは、気高く、そして美しく成長していた。それでもその性格は昔のまま。
あらゆる人間を巻き込んだにも関わらず、ここで求婚せねば、男が廃るというもの。という思いで、ブロルはその言葉を口にした。
彼女から良い答えを引き出すにはなかなか骨が折れたが、それでもエリーサはそれを引き受けてくれた。
エリーサが心配していたリンナ領の酒造については、ブロルが口にしていたように、この王都でもかなり人気のある酒となりつつあった。つまり、裕福ではない子爵領がちょっとだけ裕福な子爵領へと舵切りし始めたところ。それに加え、カウフマン侯爵もリンナ子爵の酒には出資したいと言い出す始末。それぞれの息子と娘が結婚するのであれば、それは自然な流れなのかもしれない。
たくさんの人に祝福されるというのは、心が弾むものである。望まれぬ結婚よりも望まれた方がやはり嬉しい。その嬉しさに包まれながら、エリーサは祝福を浴びた。もちろん、隣にはブロルがいる。
誓いますか、と神官に問われた時に、迷いなく誓いますと答えることができた喜び。
フラワーシャワーを浴びながら、彼と腕を組んで歩くエリーサはたくさんの祝福の言葉に囲まれた。
オトマルに言わせれば「僕が一肌脱いだからね」らしい。仕組まれていた、と言っては言葉が悪い。だが、オトマルはオトマルなりに、いつまでも嫁にいかない姉を心配していたのだ。もちろん、双子たちも。
ブロルは仕事柄、領地に戻ってくることはなかなか難しい。となれば、エリーサを王都へ向かわせればよい、とオトマルは考えたようだ。どこからどう見ても両想いの男女なのに、何が二人の仲を邪魔しているのか、オトマルにはわからなかった。
オトマルはブロルに、姉のことが好きなのか、結婚する気はあるのかと、問い詰めた。息子と言っても通じるような程年の離れた少年に、まさか自分の恋愛話を相談するとは思ってもいなかったブロル。だが、彼女の弟という力強い味方を得たのであれば、行動に移さないわけにもいかないだろう。さらに、ブロルの両親もエリーサのことは気に入っている。真面目で、人に優しく、思いやりのある女性。
あとは、ブロルの気持ちと行動次第だった。
久しぶりに会ったエリーサは、気高く、そして美しく成長していた。それでもその性格は昔のまま。
あらゆる人間を巻き込んだにも関わらず、ここで求婚せねば、男が廃るというもの。という思いで、ブロルはその言葉を口にした。
彼女から良い答えを引き出すにはなかなか骨が折れたが、それでもエリーサはそれを引き受けてくれた。
エリーサが心配していたリンナ領の酒造については、ブロルが口にしていたように、この王都でもかなり人気のある酒となりつつあった。つまり、裕福ではない子爵領がちょっとだけ裕福な子爵領へと舵切りし始めたところ。それに加え、カウフマン侯爵もリンナ子爵の酒には出資したいと言い出す始末。それぞれの息子と娘が結婚するのであれば、それは自然な流れなのかもしれない。