何色でもない私をあなた色に染めて
「ママ迎えありがと」


「おつかれさま
今日はどーだった?」


「新作のリップのポスター撮り
こんなカンジ」


ママにスマホに入ってる画像を見せた


「大人っぽい
メイクで化けるね
瑛じゃないみたい」


「うん
瀬来さんが、ママによろしくって…
最近ママ来ないねって言ってたよ」


「過保護すぎ!って言ってたの瀬来なのに!
瀬来にもよろしく伝えて
サーフィンもやってないクセに
中途半端なロン毛なんて今時流行んないって
いい年してフラフラしてないで
早く身を固めろって」


ママと瀬来さんはあまり仲良くない

瀬来さんはママのこと元ヤンて言ってた


「私は瀬来さんの髪、好きだけどな」


「瀬来、昔流行ったドラマの影響で
美容師目指したからね
髪型もその俳優マネしてるんでしょ」


「いい年って何歳のことを言うの?」


「いい年って…
だいたいママと同級生なんだから
瑛ぐらいの子供がいても
おかしくないわけじゃない?
いつまでもフラフラしてるから
週刊誌に書かれちゃうのよ
また週刊誌に載るようなことあったら
瑛の仕事にも影響してくるし…
まぁ、そしたら
代わりのメイクさん探せばいいだけだけどね」


私は、何があっても瀬来さんがいい

瀬来さんのメイクじゃなきゃヤダよ


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