もう、好きにはなりません。



「ゆ、悠里……」


ドアの前には、鋭い目付きをした悠里が立っていた。


「今日は名前で呼ぶんだな」


サラサラな黒髪に、すうっと透き通った目。綺麗な顔だなって、改めて思う。


「……特に、意味なんてないよ」


「”あいつ”のこと、好きなの?」


”あいつ”?


もしかして……


「佐山くんのこと、?」


「うん」


「わ、分かんないよ……でも、良い人だなって、思ってる」


「じゃあ俺は?」
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