もう、好きにはなりません。



『あんなやつ』に、なんでそんなに執着するの。ただの幼馴染なのに。


「……勝手にして、ください」


この言葉が、悠里に火をつけてしまったことを、この時の私は知らない。


***


「里奈、おはよう」


「……おはよ、う」


いつも通り、アパートの前に悠里は顔を出す。


「今日は結んでいくの?可愛い。でも、その姿で学校行くのやめてくれる?」


甘く誘うような声。


「……なんで、?」
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