もう、好きにはなりません。



「ううん、大丈夫だよ。行ってきて」


「うんっ」


急いで教室を出て、図書室へと足を運ばせた。


ガララ……


「失礼……しま、って、誰もいない」


シーンと静まり返った図書室。ていうか、悠里に誰先生に呼ばれたか聞くの忘れた!


図書室に呼ばれるなんて初めてだし、私何かしたかなぁ……。


うわぁ、すごく緊張してきた……。


ガララ……


ドアが開く音がし、肩をふるわせる。


そして、恐る恐る振り返るとそこに居たのは


「ゆ、ゆうり……」


「……」


鋭い目。何度この目を見ればいいんだろう。冷たくて、ナイフみたいな目。


こんなの、私の好きだった悠里じゃない……はずなのに、どうしてこんなにドキドキするの?


悠里は私の手を取って、壁に私を押し付けた。


「えっ……?ゆ、ゆうり……辞めて」


これって、俗に言う『壁ドン』ではないか。顔が赤くなるのが、鏡で見なくても分かる。


「最近あの男とばっかいて、見てて面白くない」

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