もう、好きにはなりません。
そう言うと、やっと離れてくれた悠里。
「俺のこと煽るの好きだよね里奈は」
私の髪の毛を耳にかける。悠里の指が耳にあたり、そこが熱い。
「里奈、好きだよ。こんなこと、里奈にしか言わない」
「……私は、もう……悠里のことなんて……」
「好きじゃない?」
「……」
「前は好きだったってこと?」
ああ、バレちゃった。失恋が。
首を縦に小さく振る。
「今は好きじゃないの」
「……うん」
チラリと悠里の顔を除く。
……あれ