清くて正しい社内恋愛のすすめ
「永遠の……愛……」
穂乃莉は手元のチャームにじっと目を落とす。
恋人への永遠の愛を誓うという意味で、プレゼントするのだろうか。
でも穂乃莉は、その言葉に心がチクッと痛くなった。
――私と加賀見の間には、永遠の愛なんて存在しないんだ……。
その時、加賀見が入り口から入ってくる様子が見え、穂乃莉は慌ててチャームを元の棚に戻した。
「悪い……穂乃莉」
戻ってきた加賀見の顔つきには、少し焦りがみえる。
よほどのことがない限り、加賀見がこんな表情を見せることはないだろう。
「会社から? 何かあったんだよね?」
穂乃莉が伺うように見上げると、加賀見は小さくため息をつきながらうなずいた。
「俺が担当してるツアーが、現地の天候不順で急遽ルート変更することになった。とりあえず課長が対応してくれてるけど……」
そこまで聞いて穂乃莉はうなずくと、加賀見の腕にそっと手をやる。
責任感の強い加賀見のことだ。
逐一連絡を取り合って状況を把握したいはず。
幸い支配人とのディナーまではまだ時間がある。
ホテルに戻ってパソコンを開けば、加賀見なら十分対応できるだろう。
穂乃莉は手元のチャームにじっと目を落とす。
恋人への永遠の愛を誓うという意味で、プレゼントするのだろうか。
でも穂乃莉は、その言葉に心がチクッと痛くなった。
――私と加賀見の間には、永遠の愛なんて存在しないんだ……。
その時、加賀見が入り口から入ってくる様子が見え、穂乃莉は慌ててチャームを元の棚に戻した。
「悪い……穂乃莉」
戻ってきた加賀見の顔つきには、少し焦りがみえる。
よほどのことがない限り、加賀見がこんな表情を見せることはないだろう。
「会社から? 何かあったんだよね?」
穂乃莉が伺うように見上げると、加賀見は小さくため息をつきながらうなずいた。
「俺が担当してるツアーが、現地の天候不順で急遽ルート変更することになった。とりあえず課長が対応してくれてるけど……」
そこまで聞いて穂乃莉はうなずくと、加賀見の腕にそっと手をやる。
責任感の強い加賀見のことだ。
逐一連絡を取り合って状況を把握したいはず。
幸い支配人とのディナーまではまだ時間がある。
ホテルに戻ってパソコンを開けば、加賀見なら十分対応できるだろう。