清くて正しい社内恋愛のすすめ
そのまましばらくは和やかな雰囲気でディナーが進んだ。
支配人はかなりの話好きのようで、自分の過去の経験や今後のホテル業界の展望など、次から次へと話題は尽きなかった。
なかなか興味深い話も多かったが、支配人に二本目のワインが注がれた頃、さすがに穂乃莉は加賀見に視線を送る。
さっきから何度も穂乃莉は企画書の内容へと話題を振ろうとしているのだが、うまくかわされるように話は本題に入らない。
支配人のテーブルの脇では、穂乃莉の渡した企画書も穂乃莉と加賀見の名刺も、目を通されないままそこに置かれていた。
支配人は相変わらず、上機嫌でワイングラスを口に運んでいる。
――これ以上お酒が進むと、プラン説明どころじゃなくなる……。
穂乃莉が意を決して声を出そうとした時、入り口からフロントの女性スタッフが顔を覗かせた。
「お食事中に申し訳ありません。加賀見様宛に、KRSトラベルの里山様からお電話が入っております」
その声を聞いた途端、穂乃莉ははっと加賀見と顔を見合わせる。
支配人はかなりの話好きのようで、自分の過去の経験や今後のホテル業界の展望など、次から次へと話題は尽きなかった。
なかなか興味深い話も多かったが、支配人に二本目のワインが注がれた頃、さすがに穂乃莉は加賀見に視線を送る。
さっきから何度も穂乃莉は企画書の内容へと話題を振ろうとしているのだが、うまくかわされるように話は本題に入らない。
支配人のテーブルの脇では、穂乃莉の渡した企画書も穂乃莉と加賀見の名刺も、目を通されないままそこに置かれていた。
支配人は相変わらず、上機嫌でワイングラスを口に運んでいる。
――これ以上お酒が進むと、プラン説明どころじゃなくなる……。
穂乃莉が意を決して声を出そうとした時、入り口からフロントの女性スタッフが顔を覗かせた。
「お食事中に申し訳ありません。加賀見様宛に、KRSトラベルの里山様からお電話が入っております」
その声を聞いた途端、穂乃莉ははっと加賀見と顔を見合わせる。