清くて正しい社内恋愛のすすめ
加賀見は女性スタッフに案内されるまま、小走りでフロントまで急ぐ。
いくつか思い浮かぶトラブルの状況を想定しつつ受話器を受取ると、「加賀見さーん」という、卓の申し訳なさそうな声が一番に耳に届いた。
「卓? 何かあったのか?」
「もう本当に、大事な時にすみません……。実は現地で添乗員がお客様にルート変更の案内をして回ってたんですが、一名だけどうしても納得してくださらないお客様がいて……」
卓の説明はこうだった。
今回、天候不順により急遽ツアーのルート変更をしたが、その際にどうしても一つの観光スポットの滞在時間が、当初の予定より短くなってしまったのだ。
それを参加者に説明して回っていた添乗員が、一人のお客様からクレームを受けているという。
一旦は相田がその話を受け対応しようとしたが、お客様は担当者から説明させろの一点張りで、それで仕方がなく加賀見に相談の電話をしてきたそうだ。
「わかった。俺が現地に電話して対応するから、その旨を課長に伝えておいてくれるか?」
「はい。わかりました」
いくつか思い浮かぶトラブルの状況を想定しつつ受話器を受取ると、「加賀見さーん」という、卓の申し訳なさそうな声が一番に耳に届いた。
「卓? 何かあったのか?」
「もう本当に、大事な時にすみません……。実は現地で添乗員がお客様にルート変更の案内をして回ってたんですが、一名だけどうしても納得してくださらないお客様がいて……」
卓の説明はこうだった。
今回、天候不順により急遽ツアーのルート変更をしたが、その際にどうしても一つの観光スポットの滞在時間が、当初の予定より短くなってしまったのだ。
それを参加者に説明して回っていた添乗員が、一人のお客様からクレームを受けているという。
一旦は相田がその話を受け対応しようとしたが、お客様は担当者から説明させろの一点張りで、それで仕方がなく加賀見に相談の電話をしてきたそうだ。
「わかった。俺が現地に電話して対応するから、その旨を課長に伝えておいてくれるか?」
「はい。わかりました」