清くて正しい社内恋愛のすすめ
それでも“これ以上、説明の機会を逃すわけにはいかない“という焦りが、穂乃莉の判断を鈍らせた。
――この日のために、みんなで努力して作り上げたプランなんだから。
穂乃莉がかすかに震える手で企画書を広げると、突然目の前にグラスが差し出される。
穂乃莉はビクッとして息を飲むと、恐る恐る目の前の支配人の顔を見上げた。
「まずは私の一杯に、お付き合いいただきましょう」
「で、ですが……プランの説明が……」
「まぁまぁ、硬いことを言わずに。どうぞ」
支配人に無理やりグラスを手渡され、穂乃莉は仕方がなくグラスを手にする。
「乾杯」
支配人はグラスを軽く持ち上げると、ぐっとお酒を喉に流し込んだ。
その様子を見て、穂乃莉も同じようにグラスに口をつける。
その瞬間、グラスに当てた唇がビリッとする感覚と共に、甘いラム酒が流れた部分が焼けるように熱くなる。
――なんて、強いお酒なの……。
視界は一瞬でぐらぐらと乱れ、思わずこめかみに手を当てた穂乃莉は、手元から企画書とグラスを床に落としていた。
――この日のために、みんなで努力して作り上げたプランなんだから。
穂乃莉がかすかに震える手で企画書を広げると、突然目の前にグラスが差し出される。
穂乃莉はビクッとして息を飲むと、恐る恐る目の前の支配人の顔を見上げた。
「まずは私の一杯に、お付き合いいただきましょう」
「で、ですが……プランの説明が……」
「まぁまぁ、硬いことを言わずに。どうぞ」
支配人に無理やりグラスを手渡され、穂乃莉は仕方がなくグラスを手にする。
「乾杯」
支配人はグラスを軽く持ち上げると、ぐっとお酒を喉に流し込んだ。
その様子を見て、穂乃莉も同じようにグラスに口をつける。
その瞬間、グラスに当てた唇がビリッとする感覚と共に、甘いラム酒が流れた部分が焼けるように熱くなる。
――なんて、強いお酒なの……。
視界は一瞬でぐらぐらと乱れ、思わずこめかみに手を当てた穂乃莉は、手元から企画書とグラスを床に落としていた。