清くて正しい社内恋愛のすすめ
『よく聞くだろ? 利害の一致ってやつ』
『バッカじゃないの!? 仕事の邪魔しないで!』
穂乃莉は力いっぱいキーボードを叩くと、チャットルームを閉じた。
――利害の一致って何なのよ!?
気を取り直すように大きく息を吐いた穂乃莉の視界に、加賀見の口元で弧を描いた顔が映る。
加賀見は穂乃莉に向かって、ディスプレイを指さしていた。
穂乃莉は眉間に皺を寄せたまま、再度チャットルームを覗き込むと、途端に頬を真っ赤に染める。
『お前キスするとき、普段と全然違う顔するのな』
その文字を見た瞬間、昨夜のキスが再びリアルな感覚とともに蘇る。
『あの顔は、キュート系だったな』
花音との会話を聞いていたであろう加賀見の、追い打ちをかけるようなメッセージに、穂乃莉は思わず机に突っ伏す。
悔しい。目の前のこの人に、昨夜一瞬でも心奪われた自分が悔やまれる。
「穂乃莉さん、どうかしましたぁ?」
花音が隣で、不思議そうな顔を覗かせた。
『バッカじゃないの!? 仕事の邪魔しないで!』
穂乃莉は力いっぱいキーボードを叩くと、チャットルームを閉じた。
――利害の一致って何なのよ!?
気を取り直すように大きく息を吐いた穂乃莉の視界に、加賀見の口元で弧を描いた顔が映る。
加賀見は穂乃莉に向かって、ディスプレイを指さしていた。
穂乃莉は眉間に皺を寄せたまま、再度チャットルームを覗き込むと、途端に頬を真っ赤に染める。
『お前キスするとき、普段と全然違う顔するのな』
その文字を見た瞬間、昨夜のキスが再びリアルな感覚とともに蘇る。
『あの顔は、キュート系だったな』
花音との会話を聞いていたであろう加賀見の、追い打ちをかけるようなメッセージに、穂乃莉は思わず机に突っ伏す。
悔しい。目の前のこの人に、昨夜一瞬でも心奪われた自分が悔やまれる。
「穂乃莉さん、どうかしましたぁ?」
花音が隣で、不思議そうな顔を覗かせた。