清くて正しい社内恋愛のすすめ
「今朝、穂乃莉さんの顔を見た時、ものすごく幸せそうだったから。きっと加賀見さんと、ラブラブな出張だったんだろうなぁって思ってて」

「え!? 私、そんな顔してた!?」

 穂乃莉は思わず声を上げると、恥ずかしさで次第に頬が赤くなる。

「はい! ばっちり」

 花音は大きくうなずくと、再びくすくすと笑った。


「だから、東雲の支配人の話を聞いた時はびっくりしました。そんな事があったのに、なんで穂乃莉さんは、こんな顔ができるんだろうって……」

 花音はそう言いながら、一旦曇らせた顔をパッと上げると、にっこりと明るく笑った。

「でも穂乃莉さんと加賀見さんのお二人を見て、納得したんです」

「納得……?」

「私はお二人がどういう付き合い方をしてるのか知りませんけど、出張が終わってからのお二人は、前よりも本物の恋人になったように見えました。お互いを信頼して、大切に思ってるんだろうなって。それがものすごく伝わった……」

「花音ちゃん……」
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