清くて正しい社内恋愛のすすめ
 ――加賀見って結構、過保護なのかな?


 そう思いつつも、穂乃莉は嬉しくてたまらない。

 穂乃莉は加賀見の温もりをもっと感じられるようにと、加賀見の指先に自分の指を絡めた。


 穂乃莉のマンションへと続く道を、歩調を緩めてゆっくりと歩く。

「そういえば、行きたいとこは決まったか?」

 すると加賀見が穂乃莉を抱き寄せるように手を引き、横から顔を覗き込ませた。

 穂乃莉はドキッと心臓を跳ね上がらせると、ほんのり赤くなった顔で小さくうなずく。

 そしてごそごそと鞄からスマートフォンを取り出すと、ここ数日何度も見返していたサイトの画面を加賀見に向けた。


「プラネタリウム?」

 加賀見は穂乃莉のスマートフォンを受取ると、まじまじと画面を覗き込む。


 このプラネタリウムは、つい最近リニューアルオープンしたばかりの施設だ。

 昔ながらの映画館のような座席があるプラネタリウムとは違い、フロア全体に人工芝が敷かれ、仰向けに寝た状態で鑑賞できるように席が用意されている。
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