清くて正しい社内恋愛のすすめ
「近隣のバス会社に対応できないか確認中だけど、今のところあんな感じ」
加賀見がホワイトボードを指さし、穂乃莉は顔を向けた。
ホワイトボードには連絡をとったであろう、バス会社の名前がぎっしりと書かれている。
やはりどこの会社も直近の予定は全て埋まっているのだろう。
そのほとんどに、バツ印がついていた。
穂乃莉は壁の時計に目をやる。
もう定時の時間も近い。
週末の夕方ともなれば、営業を終了する会社も出てきてしまう。
早めに見つけないと、ツアー自体が中止になる可能性も出てくるだろう。
「穂乃莉さーん」
すると電話を終えたらしい卓が、半分泣きべそをかくように声を出した。
「加賀見さんにまで手伝ってもらっちゃって、本当にすみません……」
シュンとして、ひどく落ち込みながら頭を下げる卓に、穂乃莉は小さく首を振る。
「おい、卓。反省するのは、全部片付いてからにしろ!」
「は、はい!」
加賀見に渇を入れられて、卓は鼻をすすると、また電話に手をかけた。
加賀見がホワイトボードを指さし、穂乃莉は顔を向けた。
ホワイトボードには連絡をとったであろう、バス会社の名前がぎっしりと書かれている。
やはりどこの会社も直近の予定は全て埋まっているのだろう。
そのほとんどに、バツ印がついていた。
穂乃莉は壁の時計に目をやる。
もう定時の時間も近い。
週末の夕方ともなれば、営業を終了する会社も出てきてしまう。
早めに見つけないと、ツアー自体が中止になる可能性も出てくるだろう。
「穂乃莉さーん」
すると電話を終えたらしい卓が、半分泣きべそをかくように声を出した。
「加賀見さんにまで手伝ってもらっちゃって、本当にすみません……」
シュンとして、ひどく落ち込みながら頭を下げる卓に、穂乃莉は小さく首を振る。
「おい、卓。反省するのは、全部片付いてからにしろ!」
「は、はい!」
加賀見に渇を入れられて、卓は鼻をすすると、また電話に手をかけた。