清くて正しい社内恋愛のすすめ
せっかくの初デートがドタキャンなんて、心底残念に思ってしまうのはしょうがないだろう。
――それも、告白しようとしてたデートだったし……。
首元に加賀見の体温を感じながら、穂乃莉はそっと手を回すと、加賀見のスーツの裾をギュッと握る。
「ごめんな、穂乃莉」
「しょうがないよ」
「プラネタリウムは、今度必ず一緒に行こう」
加賀見は顔を上げると、穂乃莉の頬に優しく触れた。
「うん」
穂乃莉は加賀見の手に、自分の手をそっと重ねる。
すると「それにしても……」と加賀見がチラッと会議室を振り返る。
「仕事が片付いたら、卓にはたっぷりお礼してもらわないと気がすまないな」
加賀見が両手の拳を軽く突き合わせ、バチンバチンと音を鳴らす。
良く響くその音に、穂乃莉は思わずぷっと吹き出した。
「卓くんも、相当ダメージ受けてそうだし、あんまりいじめないであげて」
「いや、この恨みは大きいからな」
にやりと笑う加賀見に、穂乃莉はくすくすと声を出して笑った。
しばらくして、会議室の中から「陵介」という相田の声が聞こえる。
加賀見は中に向かって軽く返事をすると、穂乃莉を振り返った。
――それも、告白しようとしてたデートだったし……。
首元に加賀見の体温を感じながら、穂乃莉はそっと手を回すと、加賀見のスーツの裾をギュッと握る。
「ごめんな、穂乃莉」
「しょうがないよ」
「プラネタリウムは、今度必ず一緒に行こう」
加賀見は顔を上げると、穂乃莉の頬に優しく触れた。
「うん」
穂乃莉は加賀見の手に、自分の手をそっと重ねる。
すると「それにしても……」と加賀見がチラッと会議室を振り返る。
「仕事が片付いたら、卓にはたっぷりお礼してもらわないと気がすまないな」
加賀見が両手の拳を軽く突き合わせ、バチンバチンと音を鳴らす。
良く響くその音に、穂乃莉は思わずぷっと吹き出した。
「卓くんも、相当ダメージ受けてそうだし、あんまりいじめないであげて」
「いや、この恨みは大きいからな」
にやりと笑う加賀見に、穂乃莉はくすくすと声を出して笑った。
しばらくして、会議室の中から「陵介」という相田の声が聞こえる。
加賀見は中に向かって軽く返事をすると、穂乃莉を振り返った。