清くて正しい社内恋愛のすすめ
「もう、これから仕事なんですから、やめてください」
「ごめんごめん」
小さく笑い合う二人を、東雲の社員たちが不思議そうに見つめている。
「社長のあんな顔、初めて見ました」
吉村も加賀見に小さく耳打ちし、加賀見はその様子をただじっと見つめていた。
しばらくして、加賀見の視線に気がついた東雲が、スッと身をひるがえすと加賀見の前に立つ。
「はじめまして。社長の東雲絢斗です」
東雲が右手を差し出し、加賀見は一切動じることなくその手をぐっと握った。
東雲のオーラもさることながら、加賀見もその存在感は負けていない。
背の高い二人が向かい合う姿を遠くで見ながら、穂乃莉はぼんやりと考える。
初めて会社の社長室で東雲に会った時もそう思ったが、東雲と加賀見にはどことなく通じるものがある。
何かははっきりとはわからないが、こうやって並んでいる所を見てみると、よりそれを強く感じるのだ。
「KRSトラベルの加賀見陵介と申します」
加賀見は静かに声を出し、東雲に名刺を差し出す。
するとその名前を聞いた瞬間、東雲の瞳が明らかに動揺したように揺れた。
「ごめんごめん」
小さく笑い合う二人を、東雲の社員たちが不思議そうに見つめている。
「社長のあんな顔、初めて見ました」
吉村も加賀見に小さく耳打ちし、加賀見はその様子をただじっと見つめていた。
しばらくして、加賀見の視線に気がついた東雲が、スッと身をひるがえすと加賀見の前に立つ。
「はじめまして。社長の東雲絢斗です」
東雲が右手を差し出し、加賀見は一切動じることなくその手をぐっと握った。
東雲のオーラもさることながら、加賀見もその存在感は負けていない。
背の高い二人が向かい合う姿を遠くで見ながら、穂乃莉はぼんやりと考える。
初めて会社の社長室で東雲に会った時もそう思ったが、東雲と加賀見にはどことなく通じるものがある。
何かははっきりとはわからないが、こうやって並んでいる所を見てみると、よりそれを強く感じるのだ。
「KRSトラベルの加賀見陵介と申します」
加賀見は静かに声を出し、東雲に名刺を差し出す。
するとその名前を聞いた瞬間、東雲の瞳が明らかに動揺したように揺れた。