清くて正しい社内恋愛のすすめ
穂乃莉は首をひねる。
今日は平日で、特に何も予定は入っていなかったはず。
――誰かの誕生日……とか?
穂乃莉は国内チームのデスクを見渡した。
そういえば、玲子と卓はもうすでに退社しているのか……。
再び首をひねる穂乃莉の前に、花音がカレンダーを掲げた。
「穂乃莉さん! ちょっと良く見てください! ここ! 今日はバレンタインデーですよ!?」
花音がバシバシと叩く今日の日付を見て、穂乃莉は「あ!」と声を上げる。
つい先日、バレンタインのディスプレイに心を痛めたばかりだと思っていたら、いつの間にか当日になってしまっていたのか。
ここ最近、加賀見と二人になる時間がほとんど取れず、その寂しさを紛らわすために仕事に没頭していた。
タイミングよく退職までのラストスパートの様に、引継ぎ資料の作成なども舞い込み、余計な事を考えずに済んでいたのだが、それが仇になってしまっていたらしい。
「ど、どうしよう……花音ちゃん……」
穂乃莉は眉を八の字に下げると、すがりつくように花音を見つめる。
花音はガックリと肩を落とすと、はぁと大きくため息をついた。
今日は平日で、特に何も予定は入っていなかったはず。
――誰かの誕生日……とか?
穂乃莉は国内チームのデスクを見渡した。
そういえば、玲子と卓はもうすでに退社しているのか……。
再び首をひねる穂乃莉の前に、花音がカレンダーを掲げた。
「穂乃莉さん! ちょっと良く見てください! ここ! 今日はバレンタインデーですよ!?」
花音がバシバシと叩く今日の日付を見て、穂乃莉は「あ!」と声を上げる。
つい先日、バレンタインのディスプレイに心を痛めたばかりだと思っていたら、いつの間にか当日になってしまっていたのか。
ここ最近、加賀見と二人になる時間がほとんど取れず、その寂しさを紛らわすために仕事に没頭していた。
タイミングよく退職までのラストスパートの様に、引継ぎ資料の作成なども舞い込み、余計な事を考えずに済んでいたのだが、それが仇になってしまっていたらしい。
「ど、どうしよう……花音ちゃん……」
穂乃莉は眉を八の字に下げると、すがりつくように花音を見つめる。
花音はガックリと肩を落とすと、はぁと大きくため息をついた。