清くて正しい社内恋愛のすすめ
穂乃莉は記念日が好きな人たちとは違って、恋人向けのイベントにも結構淡白な方だ。
それでもさすがに、バレンタインデーは意識しておいた方が良いだろう。
加賀見が同じように、意識するかはわからないが……。
「もう、しょうがないですねぇ」
花音はスマートフォンを取り出すと、ササッと手早くメッセージを打ち出した。
送信ボタンをタップした花音は、穂乃莉にぐっと顔を覗き込ませる。
「今から買いに行きますよ!」
「え!? 今から!? でも花音ちゃん、これからデートでしょ?」
「まっさかぁ! 女子会ですよぉ。毎年の恒例なんですぅ」
花音はピースサインを浮かべながらそう言うと、穂乃莉の腕をぐっと引っ張って歩き出した。
鼻息荒く先を進む花音を見ながら、穂乃莉は思わずぷっと吹き出す。
もしかしたら花音は、本当はデートだったのかも知れない。
だって花音のまつ毛は、いつもの二倍は上を向いているし、目元はキラキラと輝いている。
それなのに、予定を遅らせてでも穂乃莉のことに世話を焼いてくれる花音に、ここ最近ずっとモヤモヤとしていた穂乃莉の心は救われた気がした。
それでもさすがに、バレンタインデーは意識しておいた方が良いだろう。
加賀見が同じように、意識するかはわからないが……。
「もう、しょうがないですねぇ」
花音はスマートフォンを取り出すと、ササッと手早くメッセージを打ち出した。
送信ボタンをタップした花音は、穂乃莉にぐっと顔を覗き込ませる。
「今から買いに行きますよ!」
「え!? 今から!? でも花音ちゃん、これからデートでしょ?」
「まっさかぁ! 女子会ですよぉ。毎年の恒例なんですぅ」
花音はピースサインを浮かべながらそう言うと、穂乃莉の腕をぐっと引っ張って歩き出した。
鼻息荒く先を進む花音を見ながら、穂乃莉は思わずぷっと吹き出す。
もしかしたら花音は、本当はデートだったのかも知れない。
だって花音のまつ毛は、いつもの二倍は上を向いているし、目元はキラキラと輝いている。
それなのに、予定を遅らせてでも穂乃莉のことに世話を焼いてくれる花音に、ここ最近ずっとモヤモヤとしていた穂乃莉の心は救われた気がした。