清くて正しい社内恋愛のすすめ
花音とともに会社を出た穂乃莉は、それからしばらくして再び会社に戻ってきた。
「穂乃莉さん、ファイトォ!」
笑顔の花音にガッツポーズを返すと、穂乃莉は足早にエントランスに向かう。
花音に何店舗も連れまわされ、あれやこれやアドバイスされ、目が回りそうになりながらようやく決めたチョコレート。
こんな風にドキドキしながらチョコレートを選ぶなんて、いつぶりだろう。
穂乃莉は厚手の小さな白い紙袋に入った箱を覗き込むと、それを持つ手にぐっと力を入れる。
エレベーターの中で時計を確認すると、ちょうど研修が終わったくらいの時間だった。
――この時間なら、まだ会社にいるはず。
加賀見にはあえて連絡せずにここに来た。
「突然目の前に恋人が現れた時ほど、ときめくものはないですよ♡」という花音のアドバイスを聞いたからだ。
穂乃莉はいたずらをする時のような、ドキドキした心持ちでエレベーターのランプを見つめた。
ポンという到着音の後、ゆっくりと扉が開いたと同時に足を踏み出す。
すると穂乃莉とすれ違うように、隣のエレベーターに数名の、受付の女性社員が乗り込んでいくのが見えた。
「穂乃莉さん、ファイトォ!」
笑顔の花音にガッツポーズを返すと、穂乃莉は足早にエントランスに向かう。
花音に何店舗も連れまわされ、あれやこれやアドバイスされ、目が回りそうになりながらようやく決めたチョコレート。
こんな風にドキドキしながらチョコレートを選ぶなんて、いつぶりだろう。
穂乃莉は厚手の小さな白い紙袋に入った箱を覗き込むと、それを持つ手にぐっと力を入れる。
エレベーターの中で時計を確認すると、ちょうど研修が終わったくらいの時間だった。
――この時間なら、まだ会社にいるはず。
加賀見にはあえて連絡せずにここに来た。
「突然目の前に恋人が現れた時ほど、ときめくものはないですよ♡」という花音のアドバイスを聞いたからだ。
穂乃莉はいたずらをする時のような、ドキドキした心持ちでエレベーターのランプを見つめた。
ポンという到着音の後、ゆっくりと扉が開いたと同時に足を踏み出す。
すると穂乃莉とすれ違うように、隣のエレベーターに数名の、受付の女性社員が乗り込んでいくのが見えた。