清くて正しい社内恋愛のすすめ
「もうこれが、最初で最後だろ?」
穂乃莉が顔を上げると、加賀見は穂乃莉の瞳をじっと覗き込んでいた。
もう来月には穂乃莉はトラベルを退職する。
加賀見と社内でこうやって過ごすバレンタインは、二度とやって来ないのか。
小さくうなずいた穂乃莉にほほ笑むと、加賀見はそっと手元の箱のリボンを外し蓋を開ける。
中にはキューブ型のチョコレートが、綺麗に整列して置かれていた。
「加賀見は、甘すぎるのより、ビターなのが良いかなと思って……」
花音と散々店舗を巡って見つけたのは、ビターチョコレートにブランデーが練り込まれた、大人好みのチョコレートだ。
見つけた瞬間「これにする!」と言った穂乃莉に、花音は両手で大きな丸をくれた。
「いただきます」
加賀見はそう言うと、一粒指でつまんで、ポンッと口に入れる。
もぐもぐと口を動かす加賀見の顔を、穂乃莉はじーっと覗き込んだ。
「ど、どう?」
加賀見はなんだか難しそうな顔をしている。
何も答えない加賀見に、穂乃莉は次第に不安になってきた。
穂乃莉が顔を上げると、加賀見は穂乃莉の瞳をじっと覗き込んでいた。
もう来月には穂乃莉はトラベルを退職する。
加賀見と社内でこうやって過ごすバレンタインは、二度とやって来ないのか。
小さくうなずいた穂乃莉にほほ笑むと、加賀見はそっと手元の箱のリボンを外し蓋を開ける。
中にはキューブ型のチョコレートが、綺麗に整列して置かれていた。
「加賀見は、甘すぎるのより、ビターなのが良いかなと思って……」
花音と散々店舗を巡って見つけたのは、ビターチョコレートにブランデーが練り込まれた、大人好みのチョコレートだ。
見つけた瞬間「これにする!」と言った穂乃莉に、花音は両手で大きな丸をくれた。
「いただきます」
加賀見はそう言うと、一粒指でつまんで、ポンッと口に入れる。
もぐもぐと口を動かす加賀見の顔を、穂乃莉はじーっと覗き込んだ。
「ど、どう?」
加賀見はなんだか難しそうな顔をしている。
何も答えない加賀見に、穂乃莉は次第に不安になってきた。