清くて正しい社内恋愛のすすめ
本当の気持ち
定時が来るのを待って、穂乃莉は加賀見と一緒に会社を出た。
「お疲れ様でーす」
花音が満面の笑みで、手を振りながら見送ってくれる。
二人は言葉少なく会社を出ると、どちらが確認するでもなく、自然と足はイルミネーションが綺麗だった、あの街路樹のある歩道へと向かっていた。
都会の風はだいぶ春めいてきている。
加賀見とキスした街路樹も、これから新しい葉を芽吹かせる準備をするように、冬芽をほころばせ出していた。
顔を上げると、キラキラと輝いていたイルミネーションは、もう外されている。
穂乃莉は季節のうつろいを直に感じる様で、胸がキュッと切なくなった。
しばらく加賀見と手を繋いで歩道を進む。
すると歩道の脇に木製のベンチが見え、二人はそのまま腰を下ろした。
「今日休憩スペースで、白戸さんと言い合いしてたって本当か?」
加賀見が伺うように、穂乃莉に顔を覗き込ませる。
「え? なんで知ってるの……?」
「フロアで噂になってたぞ」
加賀見の声に、穂乃莉は首をすくめると「そっか」と小さく答える。
「お疲れ様でーす」
花音が満面の笑みで、手を振りながら見送ってくれる。
二人は言葉少なく会社を出ると、どちらが確認するでもなく、自然と足はイルミネーションが綺麗だった、あの街路樹のある歩道へと向かっていた。
都会の風はだいぶ春めいてきている。
加賀見とキスした街路樹も、これから新しい葉を芽吹かせる準備をするように、冬芽をほころばせ出していた。
顔を上げると、キラキラと輝いていたイルミネーションは、もう外されている。
穂乃莉は季節のうつろいを直に感じる様で、胸がキュッと切なくなった。
しばらく加賀見と手を繋いで歩道を進む。
すると歩道の脇に木製のベンチが見え、二人はそのまま腰を下ろした。
「今日休憩スペースで、白戸さんと言い合いしてたって本当か?」
加賀見が伺うように、穂乃莉に顔を覗き込ませる。
「え? なんで知ってるの……?」
「フロアで噂になってたぞ」
加賀見の声に、穂乃莉は首をすくめると「そっか」と小さく答える。