清くて正しい社内恋愛のすすめ
 穂乃莉が退職した後、国内チームのプランナーは、花音が引き継ぐことになった。

 四月からは新入社員も入り、国内チームは新しいメンバーで再スタートすることになる。

 すると横から玲子がジトッとした目線を送ってきた。


「それにしてもさぁ、三か月後には加賀見くんまで辞めちゃうんだよ!? 相田くん、国内チームはどーすんのよ!?」

 玲子は鼻息荒く、相田を振りかえる。

「あぁ? まぁ、どうにかなるだろ?」

 相田はクリームチーズとイクラがのったクラッカーを、口にヒョイと放り込むと、楽しそうな声を上げた。


「どーにかって、んな乱暴な……」

「でも、しょうがないですよ。久留島本社からの引き抜きですもん。あの星空ツアーの加賀見さんの活躍を見たら、そりゃ本社もほっとかないですよね」

 とほほと首を横に振る玲子の側で、卓がワクワクした顔を覗かせた。


「そういえば、穂乃莉さんと加賀見さんの勤務先って近くなんですかぁ?」

「うん。まぁ同じ地域だからね。加賀見は駅前で、私は山の中って感じ」

 穂乃莉は小さく肩をすくめると、手に持っていたグラスを口元に運ぶ。
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