清くて正しい社内恋愛のすすめ
「へぇ。でも正直、久留島社長の引退のニュースには驚いたよ」
相田がしみじみとした声を出し、穂乃莉は目まぐるしかったここ一二週間を思い出す。
祖母が久留島グループの社長を引退するというニュースは、久留島グループ全体を大きく揺るがすほどの騒ぎになった。
そして誰もが、久留島の今後は穂乃莉が引き継ぐのだろうと思っていた。
でも最終的に、祖母が出した答えはそうではなかったのだ。
祖母がそう決めた背景には、穂乃莉の“決断”が影響していたと思う。
穂乃莉自ら“わがまま”と言ったその決断に、祖母は始め全く聞く耳を持ってくれなかった。
それでも穂乃莉は加賀見と一緒に、何度も祖母を説得した。
そして最終的には、二人の意向を汲んでくれたのだ。
「わかったわ。私はもう引退する身。後のことはあなたたちに任せましょう。ただし、最後の人事だけは口出しさせてもらうわよ」
そう言って祖母が出した結論は、穂乃莉を久留島本店の女将に、加賀見を久留島本社の専務に就かせるというものだった。
相田がしみじみとした声を出し、穂乃莉は目まぐるしかったここ一二週間を思い出す。
祖母が久留島グループの社長を引退するというニュースは、久留島グループ全体を大きく揺るがすほどの騒ぎになった。
そして誰もが、久留島の今後は穂乃莉が引き継ぐのだろうと思っていた。
でも最終的に、祖母が出した答えはそうではなかったのだ。
祖母がそう決めた背景には、穂乃莉の“決断”が影響していたと思う。
穂乃莉自ら“わがまま”と言ったその決断に、祖母は始め全く聞く耳を持ってくれなかった。
それでも穂乃莉は加賀見と一緒に、何度も祖母を説得した。
そして最終的には、二人の意向を汲んでくれたのだ。
「わかったわ。私はもう引退する身。後のことはあなたたちに任せましょう。ただし、最後の人事だけは口出しさせてもらうわよ」
そう言って祖母が出した結論は、穂乃莉を久留島本店の女将に、加賀見を久留島本社の専務に就かせるというものだった。