清くて正しい社内恋愛のすすめ
「そうだよね……親子なんだもんね」
穂乃莉のひとり呟くような声に、加賀見は小さく首を傾げた。
「あのね、お母さまと東雲さん。あんなに長い間離れてたのに、会った瞬間に心が通った気がしたの。親子ってすごいね……」
穂乃莉は、二人が涙を流しながらお互いを見つめていた姿を思い出す。
「そうだな……。親子も家族も、感情は様々だけど、ずっとその存在を忘れずにいたら、またいつでも繋がることができる、ってことなのかも知れないな」
「それって素敵なことだね」
「あぁ。でも、俺たちだって……」
「え……?」
加賀見は一旦口をつぐむと、穂乃莉の瞳を正面から見つめる。
「穂乃莉と俺だって、もうすぐ家族になるんだから」
「陵介……」
二人はお互いを抱きしめる手に力を入れると、引き寄せられるように、静かに唇を重ねた。
耳元に加賀見のわずかな息づかいが届く。
次第に深くなる重なりに、穂乃莉はもっとと求めそうになって、慌てて唇を離した。
いけない。ここは執務室だ。
いつ誰が扉をノックするかもわからない。
穂乃莉のひとり呟くような声に、加賀見は小さく首を傾げた。
「あのね、お母さまと東雲さん。あんなに長い間離れてたのに、会った瞬間に心が通った気がしたの。親子ってすごいね……」
穂乃莉は、二人が涙を流しながらお互いを見つめていた姿を思い出す。
「そうだな……。親子も家族も、感情は様々だけど、ずっとその存在を忘れずにいたら、またいつでも繋がることができる、ってことなのかも知れないな」
「それって素敵なことだね」
「あぁ。でも、俺たちだって……」
「え……?」
加賀見は一旦口をつぐむと、穂乃莉の瞳を正面から見つめる。
「穂乃莉と俺だって、もうすぐ家族になるんだから」
「陵介……」
二人はお互いを抱きしめる手に力を入れると、引き寄せられるように、静かに唇を重ねた。
耳元に加賀見のわずかな息づかいが届く。
次第に深くなる重なりに、穂乃莉はもっとと求めそうになって、慌てて唇を離した。
いけない。ここは執務室だ。
いつ誰が扉をノックするかもわからない。