清くて正しい社内恋愛のすすめ
「あっれー? 穂乃莉ちゃん、グラスが空じゃない」
しばらくして、やけに陽気な声が聞こえ顔を上げると、玲子が卓に肩を支えられながら現れた。
今日も玲子はハイテンションだ。
「マスター! ソルティドッグ追加で」
「玲子さん。ちょっと完全に酔っ払いですよ! 穂乃莉さんも困ってるじゃないですか」
「卓! あんた口うるさいわよ」
玲子はキッと睨みつけると、卓の頬っぺたをぎゅっとつねる。
「痛い痛い痛い! この人は本当に酒癖悪いんだから……」
顔を真っ赤にした卓と、それを楽しむ玲子。
穂乃莉はその様子をキョトンとして見ていたが、花音と顔を見合わせると、ぷっと吹き出した。
なんだか、二人のかけあいを見ているだけで元気が出る。
するとマスターが脇から穏やかな笑顔で、穂乃莉の前にグラスを置いてくれた。
綺麗なイエローの淡い色が、氷の中で揺れている。
――モヤモヤも全部、飲み込んでしまえ。
穂乃莉はグラスを手に取ると、ぐっと勢いよく口に含む。
爽やかなグレープフルーツの香りと、ほんのりしょっぱい塩味が、まるで初恋の味のようだと思いながら。
しばらくして、やけに陽気な声が聞こえ顔を上げると、玲子が卓に肩を支えられながら現れた。
今日も玲子はハイテンションだ。
「マスター! ソルティドッグ追加で」
「玲子さん。ちょっと完全に酔っ払いですよ! 穂乃莉さんも困ってるじゃないですか」
「卓! あんた口うるさいわよ」
玲子はキッと睨みつけると、卓の頬っぺたをぎゅっとつねる。
「痛い痛い痛い! この人は本当に酒癖悪いんだから……」
顔を真っ赤にした卓と、それを楽しむ玲子。
穂乃莉はその様子をキョトンとして見ていたが、花音と顔を見合わせると、ぷっと吹き出した。
なんだか、二人のかけあいを見ているだけで元気が出る。
するとマスターが脇から穏やかな笑顔で、穂乃莉の前にグラスを置いてくれた。
綺麗なイエローの淡い色が、氷の中で揺れている。
――モヤモヤも全部、飲み込んでしまえ。
穂乃莉はグラスを手に取ると、ぐっと勢いよく口に含む。
爽やかなグレープフルーツの香りと、ほんのりしょっぱい塩味が、まるで初恋の味のようだと思いながら。