清くて正しい社内恋愛のすすめ
本店には入ってすぐに開放的な広いロビーがあり、その奥に祖母自慢の中庭がある。
中庭と呼ぶには広い敷地の庭は、四季折々の風景を彩る日本庭園になっており、奥には岩肌から緩やかな滝が流れる程で、見ごたえはたっぷりだ。
吹き抜けになっている中庭だが、天井はガラス張りのため、穂乃莉は幼い頃からこっそりとこの中庭に入っては、その天井から見える空を眺めたりしていた。
夜には満天の星空が見られ、自分だけの特等席だと思っていたものだ。
「加賀見にも、星空を見せてあげたいな……」
ふとそんな事をつぶやいた自分にドキッとする。
こんな時にも加賀見のことを考えてしまうほど、加賀見の存在は穂乃莉の心の中で、比重を大きく占めているのか。
穂乃莉は慌てて気を取り直すと、祖母がいる執務室へと向かった。
重そうな両開きの扉の前まで来て、穂乃莉はノックしようと上げた手をはたと止める。
何やら中から話声が聞こえる。
一人は祖母の声だが、もう一人は若い男性の声だろうか?
来客中だったら失礼だ。
穂乃莉はしばらく扉の前で待つことにした。
中庭と呼ぶには広い敷地の庭は、四季折々の風景を彩る日本庭園になっており、奥には岩肌から緩やかな滝が流れる程で、見ごたえはたっぷりだ。
吹き抜けになっている中庭だが、天井はガラス張りのため、穂乃莉は幼い頃からこっそりとこの中庭に入っては、その天井から見える空を眺めたりしていた。
夜には満天の星空が見られ、自分だけの特等席だと思っていたものだ。
「加賀見にも、星空を見せてあげたいな……」
ふとそんな事をつぶやいた自分にドキッとする。
こんな時にも加賀見のことを考えてしまうほど、加賀見の存在は穂乃莉の心の中で、比重を大きく占めているのか。
穂乃莉は慌てて気を取り直すと、祖母がいる執務室へと向かった。
重そうな両開きの扉の前まで来て、穂乃莉はノックしようと上げた手をはたと止める。
何やら中から話声が聞こえる。
一人は祖母の声だが、もう一人は若い男性の声だろうか?
来客中だったら失礼だ。
穂乃莉はしばらく扉の前で待つことにした。