清くて正しい社内恋愛のすすめ
 加賀見の顔を見るのは、二度目のキスをしたあの夜以来だ。

 加賀見は休み中に髪を切ったのか、今までよりもサイドがスッキリとしていた。

 トレードマークの少し長めの前髪はそのままで、片手で髪をかきあげる姿は健在だ。


 ――って、私ってば、なに一人で分析しちゃってるのよ!


 穂乃莉は自分で自分に突っ込みを入れつつ、慌てて加賀見から目を逸らした。


「久留島、今から打ち合わせできるか?」

 するとデスクに戻って早々、加賀見が穂乃莉に声をかける。

「へ!? わ、わかった。すぐ行く」

 穂乃莉は若干声を上ずらせながら立ち上がると、ニヤニヤとする花音たちに見送られながら、加賀見の後について会議室へと向かった。


 打ち合わせ用のこじんまりとした会議室は、一歩足を踏み入れるとひんやりとしている。

 加賀見は、壁についた電気とエアコンのスイッチを押すと、真ん中に置かれた四角いテーブルに向かった。
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