君の心をみせて
「おはよ」

「おはよ、枝野の私服ってこんな感じなんだね」

枝野は白Tシャツに黒のズボンと緩めのカーディガンというコーデ。

シンプルだがセンスがうかがえるものだった。

「変かな?」

枝野が不安そうに聞いてくる。

「いや、いいと思うよ」

枝野は目を逸らした。

〔やばい、顔、赤くなってないよな〕

「ふっ」

枝野がまた私の方を向いた。

「高宮、最近笑うよね」

枝野は私よりもうれしそうな様子で私を見る。

「よかった。でも…笑った顔、俺だけが見れたらな、なんて」

〔あぶね、こんなの言えないわ〕

「何が言えないの?」

枝野は笑って首を振るだけで、詳しくは答えてくれなかった。
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