君の心をみせて
いつも大体100くらいのスコアの私はそんなに気負うこともない。

みんなまちまちの成績で、私は福原と並んで座って時々応援しつつ回を重ねた。

7回。

私がスペアを投げて戻ってくると福原が妙に真剣な顔をしていた。

「高宮ってさ、啓斗のこと好き?」

小声でささやくように言うので、他の人たちは私たちの会話に気づいていない。

「え?別に嫌いじゃないけど」

「そっか。いつかさ、もし好きになったら、啓斗幸せにしてね」

〔絶対に。啓斗傷ついてきたから〕

「はあ」

急にそんな話をする理由がわからない。

きっと私たち4人の会話を聞いていたわけでもないだろうし。

けど福原は心からそう思っていた。
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