君の心をみせて
やがてため息とともに福原は手を下した。

「啓斗にもばれたことなかったのに」

そう言って福原は話し始めた。

「小学校の時さ、俺全然小っちゃくて。周りの奴にいじめられたりしてたんだけど、そん時に礼奈が助けてくれてさ。まあ、好きになるよね。初恋」

「でも礼奈って…」

「知ってる。礼奈のタイプがもっと悪い系なのも、俺のことをただの幼馴染としか思ってないことも」

レーンの奥の方を見つめながら話す。

「俺もさ、いろんな子と付き合ったりしてきたけどさ」

福原がふっと笑う。

「やっぱ諦められないんだわ」

福原は私の方を向いて自虐的に笑う。

「高校生にもなって小学生の初恋引っ張ってるとか、かっこ悪」
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