君の心をみせて
「見れなかったんだ」

枝野が話し始める。

「前に、俺が高宮のこと好きなんじゃないかって話してたじゃん。あの話の後、高宮になんて思われたか知るのが怖くて、高宮見ると、気持ち見えちゃうから見れなかった」

「え」

そんな理由は想像していなかったから、思わず私は固まる。

「高宮」

枝野が私を見た。

今度は目を逸らさず。

「好きです。俺と付き合ってください」

「よろしくお願いしますっ」

私の言葉に枝野は微笑んだ。

「高宮、顔赤い」

私はあわてて頬を覆って自身の熱を掌に感じた。

それから、枝野に抗議の目を向けるとともに笑った。

いつの間にか自然に出せるようになった笑顔。
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