君の心をみせて
「そうだよ、中学の時とかにはもう取っ替え引っ替え。いつか刺されるんじゃないかと思うくらい」

「うわぁ」

私は言葉を失った。

福原が入っていった教室のドアに目を向ける。

そんなだった福原が拒絶するということはそれだけ礼奈に本気だということだ。

うまくいくといいなぁ。

「何が？」

啓斗が私を見て言う。

慌てて振り向くと、不思議そうなそうな顔の啓斗。

「えっと、なんでもないっ」

啓斗も心が見えることを忘れていた。

これ以上一緒にいるとバレてしまいそうだ。

私は廊下の奥に希海たちを見つけてそこに走る。

「あ、おはよー！」

「おはよ結良、あれ枝野は？」

「さっきまで一緒にいたよ」

そう言って振り返るとさっきの場所にもう啓斗はいなかった。
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