君の心をみせて
「ねえ、あれってさ、やっぱりそういうことだよね?」

ファミレスの無駄に柔らかいソファ。

向かいに座る彼に私は上目遣いで聞く。

「うん、やっぱちゃんとしようと思って。大事にしたいからさ」

目の前の彰はほんのり耳を赤くして後頭部を掻く。

それでもそう言った彰の目は私の奥に礼奈を見ているようだった。

「この前、全員の連絡先消した次の日さ、礼奈に何でって聞かれた」

「え、何て答えたの?」

目を輝かせた私が彰の瞳に映る。

「けじめつけるんだって言った」

「えー、かっこよ。まあ、頑張ってよ。それよりさ、名前で呼ばれるのってやばいね」

「そういえば、最近2人名前で呼んでるよね」
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