君の心をみせて
「はい」

私の目の前に渡されたポテチを眺めつつ、そっと啓斗を見る。

啓斗はゴミを片付けたりしていて、多分普段通り。

私は黙々とポテチをつまんだ。

それから5分。

結局啓斗も話さなくて沈黙が流れる。

食べかけのポテチと少し減ったカフェオレが視界に入る。

上目遣いで啓斗の様子を窺う。

「ん?どうかした?」

何にもないように自然に答える啓斗。

私は質問には答えず俯く。

「結良?大丈夫?」

「…なの?」

ほぼ声にならない声が口から漏れる。

「なんて?」

「なんでそんなに普通なの?」

「え?」

今度はちゃんと声になって出た。

「私はさっきからずっと何話していいかわかんなくて、緊張しなくていいって言ってもしちゃうのに、啓斗はずっと普通だから」
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