君の心をみせて
「最近、結良さ、彰と仲良いよね」

「え?」

約束した通り、並ぶ帰り道。

やけに真剣な顔をして言い出したと思ったら、そうなこと。

「いや、前そんなに仲良かったっけって思って。なんかあったの?」

「ああ、そういうこと」

確かに、前より仲良くなったと思う。

啓斗の顔には不安が浮かんでいる。

「もしかして、嫉妬してる?」

躊躇いがちに聞く。

啓斗は、答えなかった。

正直嫉妬は嬉しいけど、疑われるのは勘弁だ。

でも、事情を話すには礼奈のことを話さなければならない。

私にしか言ってないという福原。

私が勝手にいうのは躊躇われた。

「何にもないよ、啓斗が考えてるようなのじゃない」

「じゃあなんなの?」
< 73 / 91 >

この作品をシェア

pagetop