君の心をみせて
〔俺、今年初めて同じクラスになって話す前から、結良のこと知ってた〕

私は啓斗の心から目が離せない。

〔去年、たまたま廊下で結良を見かけたんだ。その時はまだ、結良はずっと作り笑いしてた。でも、結良の心はきれいだと思った。素直で、純粋で〕

啓斗は声には出さずただコップの水滴を見つめている。

〔名前も知らない、顔しかわからない女の子に俺は惹かれた。そのあと、どうやら同じ学年の子だとわかって、話せる機会を探してた。そしたら今年同じクラスになって、すごい嬉しかった〕

啓斗が私の方を見た。

〔俺の方が席が後ろで、結良の心はよく見えた。その時に結良も心が読めるんだって知った。結良の心はみんなみたいに不満とかであふれてることはなくて、俺の癒しだった。もっとこの子と仲良くなりたいって思ってたんだ〕
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