君の心をみせて

【7】

「お騒がせしました」

放課後の教室の一角で私と啓斗は軽く頭を下げた。

「もう、ほんとに心配だったんだから、あの枝野が結良と話さないなんて、相当でしょ」

望由が腕を組んでため息を漏らす。

「でも、喧嘩したって程、起こってる感じでもなかったしさ、結局なんだったの」

希海の問いに、口ごもる。

「えーと、すれ違い?」

「何それ。まあ、仲直りしたならいいんだけど」

結局私たちの話題はそれきりで、しばらく、先生の愚痴とかそういう話が続く。

「あのさ」

話題の区切りに、おもむろに福原が口を開いた。

「なにー?」

軽い調子で返事をした希海と望由だけど、福原の真剣な顔を見て、そのテンションをひっこめる。
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