添い寝だけのはずでしたが
ふたりっきりの夜
電話は繋がらないし、乗船所にいる観光客はパニックになっている。
周りの人の会話によると、悪天候により体育館へのバスはストップしてしまったらしい。
そのうちここも閉めるようなことを言っているし、土地勘もない私はこれからどうするか状況を見極めて判断していかないと……。
ずっと気が張っているのと色々な疲労が重なり、少しフラつく。
不安な気持ちに押し潰されそうになるけど、頼れるのは自分だけ。
しっかりしなきゃ……。
「エスアイツアーをご利用の方は優先的に空港まで送迎しますので、そちらで待機をお願いします」
旅行社の人なのか、ネームプレートをつけた男の人が大きな声を張り上げている。ひとりでいたからか声をかけてもらえて、非常時のためツアーとは関係のない客でも乗せてくれるという。
善意にあやかり空港まで送ってもらうことにした。
空港に到着するまでそんなに時間はかからなかったはずなのに、いつの間にか眠っていた。
人の動く気配で目を覚まし、空港へ降り立つ。
そんなに広くはないけど、雨風はしのげるし設備も整っていて助かる。
スマホを見ると、電波が繋がるようになっていた。
やった!
これで連絡できる……。
まず一番に浮かんだのは葵さまの顔。
早く声が聞きたい……なんて、私の身勝手だよね。
連絡すれば、きっと怒られる。
だけど状況は早く知らせないといけないし……。
迷っていると、ものすごいタイミングで電話がかかってきた。
周りの人の会話によると、悪天候により体育館へのバスはストップしてしまったらしい。
そのうちここも閉めるようなことを言っているし、土地勘もない私はこれからどうするか状況を見極めて判断していかないと……。
ずっと気が張っているのと色々な疲労が重なり、少しフラつく。
不安な気持ちに押し潰されそうになるけど、頼れるのは自分だけ。
しっかりしなきゃ……。
「エスアイツアーをご利用の方は優先的に空港まで送迎しますので、そちらで待機をお願いします」
旅行社の人なのか、ネームプレートをつけた男の人が大きな声を張り上げている。ひとりでいたからか声をかけてもらえて、非常時のためツアーとは関係のない客でも乗せてくれるという。
善意にあやかり空港まで送ってもらうことにした。
空港に到着するまでそんなに時間はかからなかったはずなのに、いつの間にか眠っていた。
人の動く気配で目を覚まし、空港へ降り立つ。
そんなに広くはないけど、雨風はしのげるし設備も整っていて助かる。
スマホを見ると、電波が繋がるようになっていた。
やった!
これで連絡できる……。
まず一番に浮かんだのは葵さまの顔。
早く声が聞きたい……なんて、私の身勝手だよね。
連絡すれば、きっと怒られる。
だけど状況は早く知らせないといけないし……。
迷っていると、ものすごいタイミングで電話がかかってきた。