添い寝だけのはずでしたが
急いで日程を確認すると……それが今日だということを知り背筋が凍る。


 電話を奪い取り、電話の相手に食ってかかる。


「誰か、すぐ旧校舎に行けるやつは?」


「それが俺も家に戻ってて……誰か学園に残ってないか聞いてみる」


 電話を切ったあと、急いで学校に連絡を入れたが、留守番電話になっていて繋がらない。


 そういえば午後から休校だった、くそっ……なんでこんな日に……。


 いや、こんな日だから……だ。


 中川エマが最初から狙っていたのかは分からないけど、今日は何かを起こすのに最適の日だ。







 学園に到着するや否や、旧校舎へと向かう。


 建て壊しは既に始まっていて、建物の一部分が崩れかけていた。


危ないからと中に入ることを止められるが、寧々の居場所が分からない今、この中を確認しないわけにはいかない。


渋谷に工事を止めてもらっている隙に、旧校舎へ潜入する。


1階はまだ無事で、壁がひび割れている様子もない。
今のうちに一通り見て回るしかない。


自分の身も危険なのは十分理解してる……周りを確認しながら進むとするか。


「寧々っ、いるのか!?」


 走りながら必死で声を張り上げる。


 自分の足音と大きな声が校内に響いて不気味過ぎる。


 ここにいなければ、それでいい……。


 だけど中川エマなら、やりかねない。


 可能性がゼロじゃない限り……俺は、自分の思うように行動したい。


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