添い寝だけのはずでしたが
最近の俺は寧々に対して、全くそうじゃなかったな。


嫌われることが怖くて憶病になって、寧々との心の距離はなにひとつ進歩していない。


 俺らしくないな……。


 親になんと言われようが、寧々に嫌われようが……自分の気持ちに忠実にいれば良かった。


 俺を拒否したところで、寧々の運命は俺の手中にある。


 そうだと分かっているのに……やっぱり、強引にできなかった……。


 それは寧々のことを、自分が考えている以上に大切に思っているからだと気付く。


 自分の気持ちばかりを押し付けても、上手くいくわけがない。


 だけどもう……限界だ。


会って、今すぐ寧々を抱き締めたい。


 どんなに嫌がられても、俺は……あいつを……もう離したくない……。


その時、遠くで人の声がした。


立ち止まって、耳を澄ませる。


「誰かっ……助けて」


寧々の声!?


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