添い寝だけのはずでしたが
宇治山くんのように葵さまがいない現実ではなくて、これからのことを想像している渋谷くんに救われる。
 

そうだよね……葵さまとまた会えたとき、真っすぐに向き合える自分でいたい。


「渋谷くん、ありがとう……」


「おう。葵がいない間は、どんどん頼ってくれよな。必要なら送迎もするし、学園で一緒にいるのも大歓迎!」


「気持ちは嬉しいけど、それは……」


「なんてな! こんなの葵が聞いたら、きっとこう言う」







「「勝手なことをするな、決めるのは俺だ」」



 え……。



 ふたりの声が被って、驚く。



まさか……そんなはずは。




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