添い寝だけのはずでしたが
「心配かけたな……お前とは、後でゆっくり話す。それより」


 葵さまが、私を真っすぐに見ている。


「ちょっといいか」


「うん……」


 感動で感極まっている渋谷くんを残し、葵さまと校舎裏へと歩いて行く。


「信じられない……またこうして葵さまに会えるなんて……」


「俺もだ。とにかく寧々が無事で良かった」


 優しく微笑む葵さまに、ドキッとしてしまう。


 こうして目の前にいると、この人のことが本当に好きなんだと実感する……。



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