添い寝だけのはずでしたが
「添い寝係は続けること……」


 意外過ぎる命令に拍子抜けした。


 そしてそれと共に、すごくホッとしている。


「そ……それでいいの?」


「ああ、医師からのお墨付きだ。寧々のお陰で睡眠の質が上がってるらしい」


 本当にそうなら、こんなに嬉しいことはない。


 これからも添い寝係として葵さまの側にいられるなら、私もそうしたい。


「はい……」


 コクリと頷くと、フッと笑った葵さまの顔が少し近付いた。


 ドキッ。


 合宿のあとにキスされそうになったことを思い出して、胸が高鳴った。


「あと、俺に二度と敬語を使うな」


「え……」


 敬語……そういえば、しばらく使ってたかも。


 距離を置こうとして、自然とそうなっていたんだっけ……。


「うん……」


「もうひとつあるけど……これは、寧々が嫌なら断ってもいい」




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